ネルソン博士インタビュー


 ■気の森(2000年秋号) 由井寅子先生のホメオパシー相談室 特別編
ウイリアム・ネルソン博士来日記念 由井先生の恩師が語る ホリッスティク医療としてのホメオパシー
今回は、由井先生も使用している生体エネルギーの測定&修正機器 「クオンタム・ゼイロイド」の開発者、ウイリアム・ネルソン博士の来日を記念して、特別にホメオパシーの基本的な概念について、読者の皆様にお伝えしたいと思います。

■クオンタム・ゼイロイド(QX)とは?
ホメオパシー治療をベースに開発された、生体エネルギーの測定&修正システム。
主な機能は、「レメディーや病原体、各種栄養素などの物質や、感情その他の心理的・精神的な働きなど、約7000項目の要素に対して被験者がどのような生理的反応を示すかを電気的反応パターンによって測定する。同時に被験者にとっての問題箇所や課題(部位や抑圧度)なども数値化し、50種類以上あるセラピーの中から、心身の状態に応じて、脊髄調整やカラーセラピー、ミュージックセラピー等々を選択し、生体エネルギーの修正を行う」 というもの。
これまでの「波動測定器」とは異なり、オペレーターの心身の状態や操作技術に左右されず、生体(無意識レベル)の反応を電圧・電流・抵抗のつのベクトルで自動計測することで、1項目につき1/1000秒の高速で測定し、1/100秒の変化を数値化することができる。
コンピューター上(ウインドウズ対応)で、ホメオパシー治療をはじめとした様々なさまざまな自然療法の電子的施術を可能にした、画期的なシステムとして注目を浴びている。今秋には日本語版のニューQXが完成する予定。

■QX開発者ネルソン博士とは?
去る7月に来日したウイリアム・ネルソン氏は、米国出身の希有な科学者であると 同時に、ヨーロッパを代表する著名なホメオパスの一人である。
今回の来日目的は、自らが開発した「クオンタム・ゼイロイド(QX)」 (用語解説参照)の紹介とホメオパシーの普及のためだ。
医学博士・数学者・生化学者・電子情報技術者等々、さまざまな顔を持ち、 由井寅子さんの恩師でもあるネルソン氏とはいったいどんな人物なのか? まずは、氏のプロフィールを簡単にご紹介しておこう。

ネルソン氏は1951年、米国オハイオ州生まれ。
18歳のときにNASA(米国航空宇宙局)のアポロプロジェクトに参加し、アポロ13号が地球に帰還する際に、軌道修正を行うためのナビゲーションシステムの計算を正確にやってのけたという輝かしい功績を残している。(証拠のビデオもあります。)その後、優秀な科学者として将来を期待されながらも、武器作りなどの軍事プロジェクトに参加することを拒み、心理学の分野に進む。
ヤングスタン州立大学でカウンセリングのマスターを修得したあと、米国内の5つの大学で、医学・数学・心理学・量子力学・海洋学・国際法を修得し、現在はハンガリーでホメオパシーのクリニックを開業している。 このような多彩な経歴を持つ、天才科学者と呼ぶにふさわしいネルソン氏が、母国を離れ、ハンガリーのブタペストに移り住んで、ホメオパシーの研究と治療に専念しているのにはわけがある。 ネルソン氏によると、その理由は、第一に、自分の仕事は科学者ではなくホメオパスとして「人を癒すこと」だと確信したからであり、第二に、米国ではQXの認可が拒否されたためだという。 ネルソン氏は、知識欲にかられて軍事に寄与するような科学者の道ではなく、人を癒す医学の路を志し、さらにホメオパシーと出遭ったことで、「本来の医師(Doctor)は先生(Edoctor=ラテン語で先生の意)でありヒーラーであるべきだ」との信念をもったという。そこで、生体エネルギー(情報)の計測機能をもつQXを開発し、特許を取得した。さらにその後、セラピー機能を併せ持つニューバージョンを米国当局に申請する。だが、管轄のFDA(食品医療品局)からは理由もなく認可を拒否されたのだ。 生体の精密な情報がリアルタイムに計測でき、しかも、コンピューター上で問題箇所の修正までしてしまうQXを、治療器として認可してしまっては、既存の医療メーカーや薬品メーカーなどでは大打撃を受けてしまう。認可拒否の背景には、おそらくそのような巨大企業の利害が絡んでいたことは想像に難くない。 そして、このことがネルソン氏の米国の既存システムに対する不信感を強め、ブタペスト行きを決意させたのだ。 そんな類希な才能と信念の持ち主であるネルソン氏が、由井さんと出会ったのは、今から約7年前の英国でのこと。ネルソン氏がプラクティカル・ホメオパシー(※)の大学院の講師を務めていた時に、由井さんがネルソン氏の授業を受けたのが最初の出会いだった。 その当時すでにQXを開発していたネルソン氏は、授業の中で特定の生徒に対してQXの使用法を伝授していた。優秀な生徒だった由井さんはその機会に恵まれ、日本人で唯一QXのハウツーをマスター。その後、由井さんが日本でホメオパシーのレクチャーを始めるようになってから、QXが日本人の目に触れるようになったというわけだ。 ホメオパシーを有効に活用するための強力なサポート役として、QXを治療家に使ってもらいたいと願うネルソン氏。
そんなネルソン氏と同じ志を持つホメオパスとして親交を深めてきた由井さんが、日本での本格的なホメオパス養成のための学校をスタートさせたことから、恩師であるネルソン氏を日本に招聘する運びとなったのだ。 (※)環境の変化などの現代の状況に合わせた実践的な研究と取り組みをモットーとしているホメオパシーの流派で、古典的なクラシカル派と対比される。

■アロパシーとここが違う それでは、ネルソン氏の講演内容のポイントをかいつまんでご紹介しよう。
第一のポイントは、ホメオパシーのレメディーは、私たちの細胞の中にある物質固有の形を感知するレセプター(受容体)に作用する、ということだ。 レセプターの働きを表す一例として、糖尿病の患者に投与されるインシュリンのケースを挙げよう。 肝臓の機能が低下し体内にグルコースが溜まっている患者に投与されたインシュリンは、細胞内のレセプターによってその形が感知され、脳にその情報が送られる。脳はインシュリンを認識した後に、直ちに肝臓にグルコースを抑制するよう に指令を出す。
その結果、患者の体内に溜まったグルコースが抑制される。 このインシュリンとレセプターの関係は、「鍵」と「鍵穴」の関係で、この場合、人為的にインシュリンという鍵をレセプターという鍵穴に差し込むことで、人間に本来備わっているホメオスタシス(恒常性と呼ばれる自己調整機)を働かせたということだ。
これと同じようなことは、日常生活の中でも頻繁に起きている。例えば挽きたてのコーヒーの香りを嗅いだ場合。臭覚の細胞内にあるレセプターによってコーヒーの形が感知されることによって、脳が「ああ、おいしそうなコーヒーの香りだ」と 認識する。さらに、そのコーヒーを口に入れることによって、口の中(舌)にあるレセプターがコーヒーを感知し、神経を刺激することによって脳に情報を伝える。コーヒーを認識した脳は、消化器系に対して、コーヒーを消化する準備をするように指令を出す。消化物によって胃の中のPHや、膵臓で出される分解こそが異なるために、それがもしコーヒーでなければ、正しく消化されなくなってしまうのだ。 つまり、鍵と鍵穴がピッタリ合うことによって、自動調節が正常に行われるということだ。ちなみに、そのような大切な役割を果たすレセプターが集中している口や鼻が、司令塔である脳に近い場所にある理由は、各物質固有の形、つまり正しい情報を速やかに脳に伝達するためだといえる。 物質固有の報をキャッチした脳は、視床下部が司る調整機能によってホメオスタシスを発動させ、その結果、自然治癒力が高まり、さまざまな問題処理がスムーズに行われる。すなわち、ホメオパシーは、こうした生体の原理を応用して、人体に有害な化学物質ではなく、毒性が失われたさまざまな物質の情報をレセプターに感知させ、ホメオスタシスを発動させていると言える。この点が、現代医学で行われているアロパシー(逆療法)と、ホメオパシーの大きな違いのひとつだ。
分かりやすく例えて言うと、室内温度が上昇している部屋にいるとしよう。そこで室内の温度を下げるために、窓を壊して外気を入れようとするのがアロパシー。それに対して、室内に備わっているサーモスタット(自動調節器)に熱い息を吹きかけてエアコンを再起動させようと試みるのがホメオパシーだ。つまり、問題が生じたときに外側からアプローチするのがアロパシーで、あくまで本来備わっている内側の機能に働きかけるのがホメオパシーなのである。 それでは、内なる調整機能を働かせるために使用されるレメディーとは、どのような特徴をもつのか。  

■レメディーの特徴 そこで第二のポイント。
ホメオパシーで使用するレメディー(主に砂糖玉でつくられた錠剤)は、物質の最少量及び原物質を含まない情報だけが保持されたものである。 ホメオパシーの生みの親であるハーネマンは、6.02×10の23乗という1モルの分子数を表すアボガドロ数が未だ発見されていない時代に、さまざまな物質を極めて低濃度に希釈うした液体を患者に投与し、その効果のほどを検証していた。 そして、ハーネマンは長年の研究と臨床によって、「ある症状を起こす物質はその症状を取り去ることができる」という同種の法則の発見に続き、「希釈・振盪」させることによって、たとえ分子が存在しなくなっても「物質の持つ情報(振動パターン)は保持される」ことを発見したのだ。さらに、ハーネマン以前にまとめられていた物質の特性について書かれた「マテリア・メディカ」(文献)の記述について、実際にどの物質がどのような症状を引き起こすのかをプルービング(レメディーによる実証)によって調べ、全く新しい「マテリア・メディカ」を作っていった。その膨大な数の症例は、ハーネマン以降200年以上に渡って世界各国のホメオパスたちによって実証及び追加され、そうしたデータに基づいて既に数千種類のレメディーが作られている。それらのレメディーは、鉱物や動植物、中には原物質が毒性を持つものまで、ありとあらゆる物質を用いている。希釈・振盪させることによって物質の毒性を除去し、情報だけを安定的に保持しているレメディーは、まさに人体に有益な"情報のエキス"といえる。

ここで、レメディーの主な特徴を挙げておこう。

  • @溶液である水(0℃から60℃)とアルコールによって物質固有の情報が記録されている。
  • A使用法は内服で、舌下に投与し、レセプターに作用(感知)させる。
  • Bトラウマなどメンタルな部分にも作用する。
  • Cレセプターの混乱を避けるために、1回に1種類を基本として投与する。
  • D一般に病気が慢性化しているほど希釈率(ポーテンシー)が低いものをリピートし、病気が急性なほど希釈率が高いものを用いる。
  • E各々の物質の特性や症状に応じて、最も効果的な希釈率が確認され、系統立てて用いられている。
  • F最少量で最大限の効果をもたらすために、原物質を摂るための自然破壊や動物の殺傷を伴わない、エコロジカル名自然療法である。

使用する物質だけを見ると、一面漢方にも通じるが、同種の考えや希釈効果の研究、環境保護の観点から見ると大きな違いがあると言える。
次に、ホメオパシーから見た病気の要因となるものを挙げてみよう。ストレス・遺伝的要因・精神的要因(貪欲さや過剰な恐れ、不安など)・アレルギー・気づき(意識)の欠如・毒(化学薬品や汚染物質など)・トラウマ・栄養の欠如と過多・心の栄養不足(愛や敬い)・エクササイズ不足と過剰・細菌(微生物)・有害電波等。 また、病気になった場合の対応の仕方(治療のアプローチ)としては、

  • @臓器のケア。
  • A生命エネルギーの流れをブロックしている要因を取り除く。
  • B症状への対応。
  • C根本的な要因を見極めていく。

この点においても、単に症状を抑えるだけの現代医学・アロパシーとの対応とは全く異なる。
ホメオパシー的に見ると、「症状」とは排毒作用が起きている状態であり、それを抑えるのではなく、そこから根本的な要因を見極めることが最も重要なのだ。つまり、各種の病状は、排泄や発汗、生理や皮膚症状などと同様、体内の毒素を排出している状態であって、単に症状を外側から抑えることは逆効果になる。また、ストレスにさらされ、それに適応してしまうと症状が消えることがあることなどから、「症状がないことが必ずしも健康なのではない」のだ。 以上のような健康に対する基本的な概念は、多くのホメオパスやホリスティックな治療家たちに共通したものだろう。

■由井先生とネルソン博士が語るQXとホメオパシーの未来 それでは、最後にネルソン博士と由井先生へのインタビューから、興味深い話をいくつかご紹介しよう。

  • ――QXは無意識レベルの情報を読み取っているとのことですが、開発に当たって何か参考にしたものはありますか?
  • 博士:当初はラジオニクスの部品を使ったこともありました。また、ドイツの電子針(エレクトリカル・パンクチャー)を知り、そこで抵抗値だけではなく、電圧と電流を加えた3つの測定を思いつきました。これは全くオリジナルなアイデアです。 また、普通コンピューターは二進法で作られていますが、QXは三進法のシステムを使っています。ですから、人間の意思や意図が重要なファクターとして作用するのです。
  • 由井:QXのニューバージョンには、5000種を越える地球上のあらゆるレメディーが情報として入っています。私も長年使っていますが、その反応の仕方はまるで人間のような印象を受けます。ほぼ85%の確立で当たりますが、後は、ホメオパスの腕次第だといえますね。
  • ――オペレーターの状態に左右されないためにどんな工夫がされているのですか?
  • 博士:オペレーターの筋肉と独立したシステムを作っている点と、1秒間に1000項目を測れる高速機能によって、瞬間的な磁場の共鳴度を迅速且つ正確に計測できるようにしています。そのためにジオパシックストレス(障害となる電磁場)をカットする機能も加えています。
  • ――ホメオパスになる為の大切な条件は何だと思われますか?
  • 博士:まず、良き聞き手であることです。ただし、ホメオパシーもイギリスのクラシカル派のような古典的なやり方では限界があると思います。
  • 由井:ホメオパシーは人間学だということです。だから患者の身体だけではなく、心の背景や生育環境をよく知る必要があります。また、ハーネマンが生きた時代と今では、状況がまるで違っています。現代人の病気の原因となっている環境ホルモンや添加物、農薬や塩素、有害電磁波などにちゃんと対応するような、現代的で実践的なホメオパシーでなければならない、と思うのです。
  • ――QXを使う場合の条件は?
  • 博士:治療家としての資格や経験があることです。ブダペストでは、QXをドクターなどの治療家が使っています。日本でもホメオパスをはじめ、例えば、ホメオパシーを勉強したカイロプラクターやナースのような治療家に使っていただきたいですね。ナースによってはドクターより優秀な場合がありますから。日本でのQXの販売は寅子に一任しています。
  • 由井:QXは従来の波動測定器とは全く違うものです。ホメオパシーを勉強していない人が使いこなすのは難しいでしょう。それから、使う人の意図というものが大切になってきますから、心ある治療家の方に使ってもらいたいと思っています。ましてやお金儲けの手段として使おうなどというのは論外です。
  • ――これからホメオパシーを学ぼうと考えている日本の読者にメッセージを。
  • 博士:私は、本当の医療を行う為には、ホリスティックな療法でなくてはいけないと思っています。ホメオパスを目指している方には、知識の視野を広めて、身体と心と魂を統合するホリスティックな観点を持ってほしいと思います。QXもそんなホリスティックなマシンであり、これからは各種の自然療法を統合してゆく時代だと思います。

「QXを使ったエネルギー医療を行うことが私の仕事」だというネルソン氏は、由井さんのことを「Good Mind(明晰な頭脳)」そして、献身的で力強い女性だと評した。一方、そんな恩師に対して「エイリアンのようだ(人間を越えた頭脳)」と言いながら、同じ孤軍奮闘を続けているホメオパスとして熱いエールを交換した由井さん。今回日本の地で再開したことによって、お互いにホメオパシーの普及にかける熱意がさらに増したようだ。

■由井寅子先生プロフィール

由井寅子(ゆい・とらこ)
ホメオパス(ホメオパシー療法家)。ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー(RAH学長)
長年テレビ界で戦争、天災などの報道に携わり、世界中を駆け巡っているうちに潰瘍性大腸炎を煩う。万策尽きたとき、運命的にホメオパシーと出会い、4粒のレメディーで完治したことから、ホメオパシーを修得。日本人初の英国認定のホメオパスとなる。2000年、これまでの功績を評価され、英国ホメオパシー医学協会(HMA)より勲章を授与される。(名誉会員)。現在、HMA認定の、日本で唯一の本格的なホメオパス養成カレッジ(RAH)を創設し、ホメオパスの指導と普及に当たっている。

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